ルノワール「猫を抱く女性」
ああ、猫ちゃん。
少々ご機嫌斜めに見えなくもありませんが、はてさて。
一方の女性は伏し目がちで控えめな印象。
「もう、仕方ないにゃー」
なんて猫のぼやきが聞こえてきそうです。
Woman with a Cat(c.1875)
Pierre-Auguste Renoir
ルノワール「猫を抱く女性」。
この作品は、三菱一号館美術館で開催中の
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」で展示されていました。
同題の展覧会は2011年に国立新美術館でもやってましたが、
そのときに比べると作品全般的に慎ましやかで親密な小品が多い印象。
それもそのはずで、今回の展覧会の英題は
「Intimate Impressionism from the National Gallery of Art, Washington」。
“親密な印象派”というテーマのもとに、作品が集められているのです。
それはワシントン・ナショナル・ギャラリーの
創設者の娘であるエイルメ・サロンのコレクション。
自宅を飾るために収集されたものだけに、上品で落ち着いた作品が多いわけです。
1mを超えるような作品は一切なく、そのほとんどが50cm前後のサイズ。
大作と呼べるものがないだけに、少し物足りなく感じる方もいるかもしれません。
でも、この小さな作品たちは三菱一号館美術館の雰囲気にすごく合ってるんですよね。
描かれたテーマも、上にあげたルノワールのように親密で穏やかなものばかり。
もし自分の家にこれらの作品が飾られていたら……
そんな空想(妄想?)に浸りながら、鑑賞するといいかもしれません。
展覧会は5月24日(日)まで。
日本初公開の38点を含む全68点で、
ルノワールのほか、マネ、モネ、ドガなど印象派の顔ぶれや
セザンヌ、ゴッホ、ボナール、ヴュイヤールなど
印象派以降の画家たちの作品が並びます。
ラトゥールの静物画や、ルドンの珍しい彩色風景画も見どころです。
ぼくの大好きな、思い出深い「アンリオ夫人」と再会できたのも嬉しかったな。
先週日曜の時点ですでに混雑気味だったので、早めに見に行くのがよいかと思います。
ルノワール「アンリオ夫人」。3度目の邂逅でした。
今日も明日もがんばろう。
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