レオン・ド・スメット「桃色のハーモニー」
昨日に引き続き、「フランダースの光」より。
表向きは昨日のエミール・クラウスが良かったと言ってますが、
実際に一番しげしげ見入ってしまったのはこちらの作品でした。
Rose Harmony(1912)
Leon De Smet
レオン・ド・スメットの「桃色のハーモニー」。
なんともいえないエロティシズムを感じさせますが、
これ、実物はこんなもんじゃないです。
点描技法ゆえの朦朧とした、幻想的な雰囲気で
絵に対する距離によって様々な表情が見えてくるんですね。
胸をはだけたしどけない、官能的な姿態。
右肘の畳み方は西洋絵画の裸婦像の様式に則りながら、
左手は口元に寄せてこれまた思わせぶりな仕草。
女の子にこんな格好をされたら、そりゃあ平常心ではいられません。
実際、この絵の前をしばしうろうろしました。
あんまりしげしげ見入ってるのもアレだしねぇ。。。
うろうろしてるのもアレか。。。
ちなみにこの作品、全体的に印象派の点描技法によって描かれていますが、
上半身の、特に胸のあたりでは点描が控えめになっているんですね。
これもまた、画家のテクニック。
どうりで見入ってしまうわけです。
実際、彼の作品は風景画であってもどこか官能的で、
「たおやか」という表現がよく似合います。
ちなみにこちらは、「桃色のハーモニー(Rose Harmony)」と
対をなすようなタイトルの作品「White Harmony」です。
こちらは同展には出品されていませんが、
奔放と貞淑、乙女と母親、といった視点で比較するとなかなか面白いです。
White Harmony(1909)
Leon De Smet
「フランダースの光 ~ベルギーの美しき村を描いて~」の
公式サイトはこちら。
開期は10月24日(日)までです。
ぽちっとお願いします!
- 関連記事
-
- レオン・ド・スメット「窓辺の女性」
- レオン・ド・スメット「室内あるいは恋人たち」
- レオン・ド・スメット「桃色のハーモニー」