川端龍子「金閣炎上」
京の遊郭に身を売られた女と、
重度のどもり故に周囲から嘲笑される見習い僧侶。
かつて寒村で兄妹同然に育った二人は
五番町夕霧楼で再会し、
悲恋は金閣(鳳閣寺)の炎上をもって終わりを告げる――。
水上勉の代表作、「五番町夕霧楼」という小説のあらすじです。
女が病魔におかされたことを知って、男はなぜ金閣に火を放ったのか。
赤く染まった京都の空を見て、女は何を思ったのか。
虐げられ続けた男と、それを見守り続けた女。
二人の恋路は痛々しくてかなしくて、
とても理解のおよぶものではありませんでした。
誰にも理解されなかったから、誰もいない世界を望んだのでしょうか。
高校のとき以来の再読ですが、
あのとき分からなかったことは今も分からぬままです。
画像は川端龍子の「金閣炎上」。
事件の2ヶ月後にこの作品を発表したそうです。
今日も明日もがんばろう。
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