ハンマースホイ「寝室」
やわらかな光が射し込む寝室。
特別なことは何もなく、
ただ淡々と、静かに時間が流れていくこの感じ。
なんだかホッとしますよね。
ヴィルヘルム・ハンマースホイ「寝室」。
ささやかな詩情に満ちた、幸福の一枚です。
Bedroom(1896)
Vilhelm Hammershøi
この作品は、昨年1月から3月にかけて
東京都美術館で開催された「ハマスホイとデンマーク絵画」で展示されていました。
このころはまだ、気軽に美術館に行けてたんですよね。。
ハマスホイ(ハンマースホイ)という画家が一躍脚光を浴びたのは、
2008年に同館で開かれた「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」でした。
それまで国内では無名に近かった画家であったにも関わらず、
カタログは完売、のちにプレミアがつくほどに。
沈黙と静寂に満たされた独特の世界観は、それほどに鮮烈だったようです。
(残念ながら、このときの展覧会には行けなかった。。)
あれから10年あまりの時を経て、凱旋帰国、といったところでしょうか。
画家自身にフォーカスをあてた2008年の展覧会とは異なり、
同時代のデンマークの画家にも注目することで
ハンマースホイの姿を立体的に浮かび上がらせる構成で、
実に見ごたえのある展覧会でした。
それなりに混雑していたものの、周囲の雑音はまったく気にならず
至福のひとときを堪能したのでありました。
さて、ホテル療養が終わり、自宅でのんびり過ごしています。
PCR検査は引き続き陽性でして、
今後は定期的に検査を受けて、陰性になったら職場復帰となります。
しばらくは外出を控えることになりますが、
やっぱり自宅で過ごせるっていうのは幸せなものです。
窓を開ければ日差しがあたたかいし、風も入ってくるし、
工事の騒音さえもいとおしく感じられます。
あとは、また気兼ねなく美術館に通える日が来れば…。
切に願っております。
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