ボッティチェリ「春」
すっかり春めいてきて……と思いきや、
今日は風が強くて肌寒い一日でした。
散歩してたら体が冷えて、咳がひどいことに。。いかんなぁ。
Primavera(1478 - 1482)
Sandro Botticelli
こちらはウフィツィ美術館所蔵、サンドロ・ボッティチェリの「春」。
誰もが一度は本やテレビ番組で目にしているであろう、
ルネッサンス期を代表する作品です。
ヴィーナスやフローラなどの女神の美しさもさることながら、
描きこまれた花の数は約40種類、総数500以上におよぶそうで
春の喜びを画面いっぱいに織り込んだ名画なのです。
と思いきや、画面右手の2人、ちょっと不穏な感じなんですよね。
宙に浮かぶ、いかにも病的な蒼白の人物は西風の神様ゼフュロス。
春を告げる温和な神様のはずなんですが。。
彼がしっかとつかまえているのは、クロリスという名のニンフ。
古代ローマのオイディウスが書いた「祭暦」によれば、
ゼフュロスはクロリスを追いかけ、強引に妻にした。
その償いとして、クロリスを春と花々をつかさどる女神にした、とのこと。
よって、身をよじって逃れようとするクロリスの口元からは花々が零れ落ちているわけです。
※ゼフュロスが妻にしたのはフローラ(クロリスの左に立つ女性)とも言われてて、
このあたりは調べだすときりがないので割愛。
春が来たからと浮かれていると、ひどい目にあいますよ。
そんなメッセージが込められているわけではないでしょうけど、
今日のぼくはそんな気分なのでございました。
だがしかし、
家のなかには着実に春が訪れているのでありました。
なごむなぁ。
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