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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ルノワール「テラスにて」

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生涯を通じて、数多くの女性像を描き続けた
オーギュスト・ルノワール。
彼の絵を見ると、無条件で幸せな気持ちになります。


テラスにて
Sur La Terrasse(1881)
Pierre-Augustê Renoir




こちらは親子の幸せなひとときを描いた「テラスにて」。
1880年の作品です。
母親らしき女性のモデルは、舞台女優のダーロウ。
頭にかぶった赤い帽子に目がいきますが、
今回注目したいのは、その白い肌です。


前回もご紹介した「修復家だけが知る名画の真実」によると、
ルノワールは肌の白さを際立たせるため、
肌の影の部分に青を入れていたそうです。
まず青でもって皮膚の下の血管をあらわし、
その上に肌の色を重ねていたわけです。
また、毛先が柔らかい筆を使って
キャンバスをそっとなでるように描いていたとか。
「女性の肌を描くときには、あたかもそれに触れているような感覚と
絵筆で描かなければならない」
ルノワールは自伝でそんな風に記しているそうです。


ところでこの作品、
エドゥアール・マネの「鉄道」と比較するととても面白いです。
かたや幸せそうな笑顔で並んでこちらを見る親子。
かたや虚ろな表情でこちらを見る母親と、無関心に背を向ける娘。
世の中の幸福な表情だけを描こうとしたルノワールと、
都会に潜む心の闇を暴こうとしたマネの違いが、
如実に現れています。

鉄道
Le chemin de fer(1873)
Edouard Manet




最後に、ルノワールの言葉を紹介しましょう。


この世は辛い悲しいことが多過ぎる。
もうこれ以上そのようなものは必要ない。
私は人々が楽しく幸せになるような作品を描き続けたい。



ルノワールとマネ、僕はどっちも好きだけど
やっぱり部屋に飾るとしたらルノワールがいいかな。



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2 Comments

noir-fun says..."「テラスにて」いいですよね!"
僕の好きな作品です。
「部屋に飾るとしたらルノワールがいいかな。」
学生時代(遠い昔ですが)まさにこの絵のポスターを部屋に飾っていました。
2011.04.06 11:23 | URL | #k0tkCqHs [edit]
スエスエ201 says..."Re: 「テラスにて」いいですよね!"
> noir-funさん

コメントありがとうございます。
遠い昔の、素敵な思い出ですね♪
ポスターにしてもポストカードにしても、
なんだかんだでルノワールが落ち着きます^^

2011.04.06 23:47 | URL | #- [edit]

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