ブリューゲルの新作発見!「聖マルティン祭のワイン」
プラド美術館で、ブリューゲルの新作が発見されたそうです。
タイトルは「聖マルティン祭のワイン」。
100人もの酔っぱらいが描かれた、
農民ブリューゲルここにあり、といった趣きの傑作とのこと。
四半世紀どころか4世紀半もの時を超えた、まさに世紀の大発見。
サイズも148cm×270.5cmで、
ブリューゲル作品の中で最も大きい部類に入るそうです。
聖マルティン祭は、ドイツに今も伝わるカトリックの祭日。
11月11日に行われ、クリスマスや復活祭に次ぐ重要なイベントだそうです。
そもそもは道ばたで寒さに震えていた物乞いに、
自分のマントを半分に裂いて分け与えたという聖人の行いにちなんだもの。
子どもたちが自作のランタンを持って歌いながら行進したり、
焚き火や聖マルティンにちなんだ劇を行ったり、
ガチョウを食べるのが一般的だそうですが、
ブリューゲルが描いたのはひたすら飲みまくる農民たち。
子どもも物乞いも、ワインの新酒を求めて大騒ぎしてます。
農民たちが押し合いへし合い、絵の外に転がり出てきそうな。
当時の農民とお酒の関係については、
以前ご紹介したブリューゲルの版画「大食」をご覧あれ。
または、版画「ホボケンの縁日」にこんな銘文が刻まれています。
農民たちはそんな祭を喜んでいる。
踊りに飛び入って動物のように酔っぱらう。
食べるものがなくて寒さから死んだとしても、
連中は祭を維持しなければならない。
農民とお酒、祭は切っても切れない間柄だったわけですね。
ちなみにオークションにかければ、
2500万ユーロ(約28.3億!)の値がつくと見られているそうな。
すごい。
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