ドガ「浴盤(湯浴みする女)」(ドガ展より)
「ドガ展」で興味深かったのが、浴女を描いた作品群。
「踊り子の画家」というイメージが強いけれど、
実はこうした裸婦像も多く描いていて、
第8回の印象派展では10点もの浴女を出品してるんですね。
今回ご紹介するのは、そのうちの1点、「浴盤(湯浴みする女)」です。
Le Tub(1886)
Edgar Degas
ドガいわく、
「裸婦というのは、常に観客の視線を意識したポーズで描かれるものであった」。
観客の視線を意識したポーズというのは、
ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」のような、
恥じらいのポーズを指しているのだと思われます。
それに対してこの「浴盤(湯浴みする女)」では、
恥じらいどころか見られていることに気づいてすらいないんですね。
だからこそありのままの女性の姿が描かれていると。
まるで鍵穴からのぞいたような一場面で、
思わず目を惹き付けられてしまう一枚です。
ところで、これらドガの裸婦像ですが
会場で見たとき、ロートレックに似てるな~なんて思ってたんですが。。。
家に帰ってちょっと調べてみたら、
ロートレックは印象派のなかで唯一ドガを敬愛していて
ドガの裸婦像にかなり影響を受けていたんだそうです。
どうりで似てるわけだ。
こういう気づきが当たってたりすると、何だか嬉しくなってしまいます。
Rousse(La Toilette)(1889)
Henri de Toulouse-Lautrec
「ドガ展」は12月31日(金)までの開催。
公式サイトはこちらです。
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