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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

町の上で

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小さいころから、よく空を飛ぶ夢をみます。
夢占いによると、飛び方によって意味合いが違うらしく
思い通りに、鳥のように飛んでる場合は運気が上昇しているとか。
低空飛行している場合は、精神的に疲れているのだとか。
う~む、どっちかというと低空飛行です。


町の上で
Au Dessus de la Ville(1915)
Marc Chagall




さて、空飛ぶ画家といったら……
ぱっと思い浮かんだのはマルク・シャガール。
こちらは1915年の「町の上で」。
愛妻ベラとの幸せな日々は、
それこそ天に舞い上がるような気持ちだったんでしょう。


ただしこのとき、ロシアは戦争のまっただなか。
特にユダヤ人はロシア軍からスパイと疑われるなど、
抑圧された状況が続いていたようです。
幸せな家庭生活の一方で、一歩外に出れば重く沈んだヴィテブスクの町。
「町の上で」をよく見ると、シャガールは周囲を気にして
ベラを守っているようにも見えてきます。
鳥のように気持ち良く、ってわけでもなさそうですね。
自由への渇望が、シャガールにこの絵を描かせたのかなぁなんて思いました。


この絵のなかでシャガールの下半身は下に引っ張られていますね。
もろに重力の影響をうけている。
一方、ベラはきれいに体を水平に保っています。
プールで水に浮かぼうとするときのことを考えると分かりやすいですが、
力んでしまうと、どうしても足から先に下がって行ってしまうんですよ。
逆に全身の力を抜いてリラックスしていれば、普通に浮いていられる。
やっぱりシャガールには、無意識の力みがあったんでしょうか。




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