足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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…これを千年のあひだつなぎおき

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今日は上野の藝大美術館→国立西洋美術館とはしごしてきました。
まずは根津駅で下車して、お寺が連なる谷中の街路をテクテク歩き、
藝大美術館の「黙示録 デューラー/ルドン」へ。
新約聖書の最期を飾る預言書、「黙示録」を軸に置いた企画展で
なんといっても目玉はアルブレヒト・デューラーの版画なんですが、
個人的に印象深かったのは、オディロン・ルドンの作品でした。


これを千年のあひだつなぎおき
…et le lia pour mille ans;(1899)
Odilon Redon
※クリックすると拡大してご覧いただけます。




こちらはオディロン・ルドン「・・・これを千年のあひだつなぎおき」。
むう、怖い。タイトルからして何か怖いです。
鎖でもって地の底につなぎとめられている、蛇のような生き物。
黙示録ではこの生き物はサタンにあたるらしいですが、
いかにもな悪魔の姿で描かれるより、こっちのほうがよっぽど怖いですよね。
ちなみに創世記でも悪者扱いされてる蛇ですが、
ユダヤ教の一部では蛇をサタンの別の姿とする見方もあるそうで
あながち間違いというわけでもないようです。


そういえば以前、人間が蛇を恐れる理由を解明したってニュースがありましたね。
猿を使った実験で、蛇恐怖症は本能によるものだと分かったのだとか。
僕も嫌いです。うねうねしてる生き物は、基本的に嫌い。


話を元に戻さないと……。
聖書のことはあまり詳しくないんですが、
黙示録自体がおどろおどろしい怖い内容なわけです。
それなのに、同じ題材を扱っているのに、
デューラーよりルドンの方が圧倒的に怖く感じる。
デューラーの作品はさすがの超絶技巧で、
出来映えに異論を挟む余地はないんですが、
理知的というかなんというか、ストーリーを知っていてなんぼだな、と。
聖書に詳しい人が見たら、いろんな発見が次々に出てくるんじゃないかと。
参考までに、デューラーの黙示録より、
「深淵の鎌を持つ天使と新しいエルサレム」。
右下で天使に縛り付けられてるのが、
ルドンが蛇で表現したサタンだと思われます。

深淵の鎌を持つ天使と新しいエルサレム
The Angel with the Key of the Bottomless Pit and the Vision of the New Jerusalem(1511)
Albrecht Dürer




一方ルドンの作品はもっと根源的というか、
黙示録のシーンを表現しているというより
そこに見え隠れする精神的なもの、感覚的なものを捉えているように思います。
だからこそ、彼の作品はひたすら黒く、深く、重く、そして禍々しい。
闇のなかに引きずり込まれそうな、そんな気さえするのです。
このへんは、ゴヤの黒い絵に近しいものを感じました。
実際ルドンはゴヤを尊崇していたようで、
「ゴヤ讃」なんて版画シリーズも発表してます。
こちらは同シリーズより、「沼の花、悲しげな人間の顔」。
やっぱりおどろおどろしいな。。。

沼の花、悲しげな人間の顔
La fleur du marécage, une tête humaine et triste(1885)
Odilon Redon





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