足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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贖罪の山羊

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荒れ果てた大地、
生命の気配を感じさせない広大な湖と岩山。
立ちつくす、一頭の山羊。


贖罪の山羊
The Scapegoat(1854~)
William Holman Hunt
※クリックすると拡大してご覧いただけます。




ウィリアム・ホルマン・ハント「贖罪の山羊」。
歴史的に正確な描写を信条としたラファエル前派の一員だったハントは、
この作品を描くために聖書に登場するソドムの街、ウスダムへ向かいます。
エルサレムから約100km、死海の南岸。
「この光景を見たならば、誰もがこの地が
神に呪われていることを確信せざるを得ない」
ハントはこんな風に日記に書き記しています。


アラビア語を解さないハントにとって、
呪われた地に赴くのはそれこそ命にかかわるものだったわけですが……。
そのへんは芸術家のすごみというか何というか、
わざわざ山羊を連れていって現地で制作を初めてしまうんですね。


ちなみにこの時期、ラファエル前派は崩壊に向かっていました。
グループの代表格だったエヴァレット・ミレイが
生活のためにラファエル前派ならではの様式へのこだわりを捨て
(緻密すぎて一枚描くのに時間がかかりすぎるので)、
しかもアカデミーの会員に選出されたことが大きく影響していたようです。
同じくラファエル前派の一員、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの妹で
画家たちのモデルも務めた詩人、クリスティーナ・ロセッティに言わせると、
「ラファエル前派ときたら崩壊寸前」とのこと。
こんな状況でのハントの旅は、
自身の画家としての信念というより、
ラファエル前派たらんとする意地に近いものがあったのかもしれません。
事実、ハントはグループの中で唯一、
結成当初の理想を終生貫き通した画家だったそうです。



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William Holman Hunt: A Catalogue Raisonne (Volumes 1 and 2) (Paul Mellon Centre for Studies in British Art)William Holman Hunt: A Catalogue Raisonne (Volumes 1 and 2) (Paul Mellon Centre for Studies in British Art)
(2006/09/15)
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