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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」とレーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」

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ここ日本でも人気の高い画家の一人、ヨハネス・フェルメール
彼の代表作が、「真珠の耳飾りの少女」(1665年ごろ)です。
真っ暗な背景に浮かび上がるように、
強烈な透明感で見るものを惹き付けるこの作品は、
北欧のモナリザとの呼び声も高い傑作。
「青いターバンの娘」とも呼ばれてます。


真珠の耳飾りの少女
Girl with a Pearl Earring(c.1665)
Johannes Vermeer




瞬間を切り取ったような憂いとも微笑とも取れる表情は、
今しも何か大切なことを告げようとしているようで
思わずハッとさせられます。


スカーレット・ヨハンソン主演の同名映画もありましたね。
物語としては尻切れトンボな印象もありましたが、
フェルメールファンなら見ておいて損はないと思います。


さて、この「真珠の耳飾りの少女」ですが、
フェルメールが参考にしたと言われている絵画があります。
それがこちら、グイド・レーニの
「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」。


ベアトリーチェ・チェンチの肖像
Portrait of Beatrice Cenci
Guido Reni




真っ黒な背景、頭部を覆うターバン、
そして振り向き様のこの構図。
う~む、似てる。
ベアトリーチェ・チェンチは
「親殺し」の罪で裁判・拷問の末、
22歳という若さで亡くなった実在の女性。
白いターバンは、断頭台に髪の毛が絡まらないように巻かれたものだといいます。
彼女が殺害した父親は、家庭内暴力を繰り返し、
ベアトリーチェには近親姦を強要していたといいます。
このような背景から、彼女の罪は「美しき親殺し」と呼ばれています。


澄んだ瞳は死を前にした諦観の故なのか。
それとも辛い現実から解き放たれることへの静かな喜びなのか。
フェルメールはこの絵を実際に目にしたことがないと言いますが、
偶然の類似と呼ぶには不可思議すぎるほど、
2つの絵の雰囲気は似通っています。
このへんの謎めいたエピソードも、
絵画の魅力を引き立てるファクターなんでしょうね。



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(2000/07/01)
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