靉光「眼のある風景」
重力に押しつぶされたかのような、不穏な塊。
何かを訴えかけるような瞳。
混沌のなかで、この瞳にだけ意志が宿り、
強く見開かれています。
Landscape with an Eye(1938)
Ai-Mitsu
靉光の「眼のある風景」。
じっと見ていると焼けただれた肉やら
熱せられた岩肌やら色んなものに見えてきて、
そんな鑑賞者の動揺を見透かすように、
絵の中央から鋭い眼光が放たれるわけですね。
国立近代美術館の「日本画の前衛」には、
靉光の作品が多数展示されていたんですが、
この人の絵は本当にいわく形容しがたく、
見るものを突き放さんばかりの冷たさ、
孤高の世界観が漂っていました。
骨身を削るような、そんな印象で
見ているこちらもハラハラと鼓動が早まってしまう。
ぽちっとお願いします!
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