長谷川等伯「松林図屏風」
本日(1月22日)から、日経朝刊にて
連載小説「等伯」が始まりました。
作者は安部龍太郎、挿絵は西のぼる。
長谷川等伯の生涯を描いた小説ということで、
しばらくチェックしていきたいと思ってます。
連載小説ってまともに読んだことがないので、
毎朝の楽しみが増えるかも♪
Pine Woods(1593~95)
Hasegawa Tohaku
ということで、今回は長谷川等伯の代表作「松林図屏風」。
東京国立博物館の至宝であり、日本の水墨画の最高峰とも言われる作品。
没後400年を記念した昨年の「等伯展」も記憶に新しいところです。
近づけど近づけど遠ざかるような、幽玄の世界。
ふと気づくとしっとりとした大気が周囲に広がり
松林の霞のなかに立っているような、
そんな感覚にもとらわれます。
冬の冷たい風が松葉の間を吹き抜ける、
微かな音が聞こえてきそうな……。
実はこの作品、未完の水墨画なのだそうな。
屏風絵に使う紙よりも祖末な草稿用の紙を使っていること、
紙の継ぎ目が乱れていることがその理由とされています。
その一方で最高級の墨が使われており、
等伯紙を選ばず、されど墨を選ぶ、といったところでしょうか。
装飾を排した仙境にあって、凛とした佇まいを感じるのは
こうした紙と墨の関係によるものなのかもしれません。
ちなみに私、この作品の名前を
最初「秋霖図屏風」と勘違いしてました。
作品の印象としては、秋の長雨を意味する「秋霖」に近いものがあると
今でも勝手に思っています。
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