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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

アルトドルファー「アレクサンダー大王の戦い」

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「ヒストリエ」という漫画にはまってます。
「寄生獣」の作者、岩明均の作品で、
主人公はアレクサンダー大王に仕えた書記官、エウメネス。
蛮族という出自を持ち、文武に秀でた彼は
数奇な運命に翻弄されながら成長し、
大国マケドニアの重要人物としてのし上がっていきます。


で、何が面白いかというと、
主人公がとにかく冷静で淡々としていて、
盤上のチェスを動かすように難局を乗り切っていくわけです。
要は出世物語なんですけど、頭が良過ぎるのか
悩みとか欲望とか情熱とか、漫画の主人公に不可欠な要素が
きれいさっぱり抜け落ちてるんですね。
たとえば自身の出生の秘密が明るみに出て
どん底に突き落とされる場面があるんですが、
あまりにも早く立ち直ってしまうわけです。子どもなのに。
で、読み手としては逆にそれが心地よいというか、
感情移入しないで客観的に歴史を追いかけていけるわけで。
まぁ、そういう小難しい理屈は置いておいて、とにかく面白いんで一読あれ。


さて、ということでエウメネスにまつわる絵画を。
と思ったんですが、歴史上あまり知られていない人物なせいか
特に思い当たらないし、ググっても彼を描いた絵は見つかりませんでした。
仕方ないのでエウメネスが仕えた、アレクサンダー大王にまつわる一枚を。
アルブレヒト・アルトドルファーの「アレクサンダー大王の戦い」です。


アレクサンダー大王の戦い



見よ、このスケール感!
舞台は紀元前333年、10万人ものペルシア軍と
アレクサンダー大王率いるマケドニア軍が対峙した「イッソスの戦い」。
はるか天上から俯瞰したような構図、
左上には三日月が輝き、地平の右側には太陽が。
まるで世界のすべてを描き尽くさんばかりの強烈なインパクトです。


さらに目を凝らして見てみると、驚異的な細密描写。
ブリューゲルも真っ青な細かさです。
作者にとっても渾身の一枚だったんでしょう、
中央上部にはこれでもかというくらい自己主張の激しい署名。
これが500年近くも前に描かれたというから、
ただただ溜め息をつくばかりです。


「ヒストリエ」にしても、この「アレクサンダー大王の戦い」にしても、
歴史というものの壮大さに触れると
仕事の悩みなんてちっぽけに感じられてしまいます。



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(2004/10/22)
岩明 均

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