菱田春草「黒き猫」
前回、日本を代表する猫画家ということで藤田嗣治を紹介しましたが
いやいやニャにをおっしゃいますか、
猫といったらこの人でしょう!という声も聞こえてきそうなので。
今回は永青文庫所蔵、菱田春草の「黒き猫」をご紹介しましょう。
季節は秋。
どこか装飾的な柏の葉と、
その下でじっとこちらを見つめる「黒き猫」。
にゃんとも毛並みのよいことで、
思わずなでなでしたくなってしまうにゃー
……失礼しました。
この作品を発表した翌年、
春草は36歳という若さで世を去ります。
「黒き猫」を描いていた当時も
既に目をわずらっており、
そんな状況で描かれたこの一枚。
画面左下に散り落ちた柏の葉が哀れを誘う一方で、
凛とした眼差しでこちらを見返す黒猫の気高さ。
画家の気持ちを代弁しているようでもあって、
これが芸術家というものなのかなぁと
しみじみ思ってしまうわけです。
菱田春草の猫といったらこの「黒き猫」が有名なんですが、
季節的にはこちらの猫もよいかもです。
足立美術館所蔵、菱田春草「猫梅」。
まるまるもふもふ幸せだにゃー
ぽちっとにゃー
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