モネ「菊」
パリのグランパレで開催されているモネの大回顧展、
「クロード・モネ 1840-1926」。
くそぅ、行きたくてしかたがない。
誰か連れてってくれないかなぁ。
頭のなかはもはやモネのことでいっぱいなので、
今回はモネのちょっと珍しい作品を。
こちらは1878年発表の「菊」。
この季節にぴったりの作品ですが、
室内の花を描いたものって意外に少ないんだそうです。
花柄の壁紙を背にした可憐な白菊ですが、
どことなく影がこく、寂しげな印象もあります。
ちょうどこのころモネは貧窮の極みにあり、
友人のマネからお金を借りて、
家族とパトロンのオシュデ夫妻を伴って
ヴェトゥイユへ引っ越しています。
ところが頼みの綱のオシュデが破産してしまい、
子どもたちと妻を置き去りにしてフランス国外へ逃亡、
モネは残されたオシュデ夫人と6人の子どもを引き取ることに……。
度重なる不幸のなかで、病に伏す妻カミーユや
父を失ったオシュデ夫人の子どもたちを見つめながら
モネは何を思ったのでしょうか。
あるいはこうした境遇が、屋外で光を浴びる花々ではなく
室内で静かに咲き誇る白菊を描かせたのかもしれません。
ぽちっとお願いします!
![]() | モネ (ニューベーシック) (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ) (2000/07/30) クリストフ・ハインリッヒ 商品詳細を見る |
- 関連記事