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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

川瀬巴水「馬込の月」 ~光と闇、あかり~

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夜の深さを
闇の恐ろしさを
思い知らされた人は多いと思います。

いっぽうで、
月の美しさに
星の明るさに
気づかされた人も多いと思います。


馬込の月
「馬込の月」(1930)
川瀬巴水
Moon at Magome(1930)
Kawase Hasui




照明デザイナーの石井幹子氏は、
光から闇に至る中間領域にあるのは、
柔らかな「あかり」であると
著書「新・陰影礼讃」に記しています。
どんなに深い闇の中にあっても
必ずどこかに光があるはず。
そして闇に飲まれず光を見失わなければ、
心には「あかり」が灯ります。
あたたかく、力強く、優しい「あかり」が灯ります。


身を切るような寒さの前では
地震や津波の脅威の前では
愛する人を失った悲しみの前では
「あかり」は実に頼りなく、言葉は無責任に響くかもしれません。


闇を絶望と、光を希望と置き換えるなら
被災地の方々の心を占めているのは
やはり絶望のほうが大きいのだと思います。
そんななかで、希望を見いだすのは時間がかかるし難しいものです。
だからこそ今は、闇と光の、絶望と希望の間にある
「あかり」が必要なんだと思います。
風が吹けば頼りなく揺らめいて
些細なことで簡単に消えてしまいそうだけど、
小さな「あかり」が集まれば、それはやがて光になり
大きな希望に生まれ変わるはずです。



実は水曜・木曜と神戸に出張に行ってきたんですが、
阪神・淡路大震災から16年がたち、
当時のおもかげはまったく見られませんでした。
美しい街並と、素敵な笑顔。鮮やかな光。
震災を乗り越えて立ち上がってきただけあって、
皆さんどっしりと構えられていて、
勇気づけられてしまいました。
心にポッと、あかりが灯りました。
今回の被災地も、神戸のように必ず復興する。
必ず笑顔を取り戻せると、強く思った次第です。


最後にもうひとつだけ。
3月11日以降に被災地から当ブログを訪れてくれた方がいらっしゃいました。
何かを検索して間違えてヒットしたのかもしれませんが、
自分としては、アートの情報を探してたどり着いたのだと思いたいです。
もしかしたら、常連さんかもしれないですし。
そしてそういう方がいらっしゃる以上、
なるべく更新を続けるべきなのではないか、と思い直しました。
ということで、今日からいつも通りの更新スパンに戻したいと思います。
自分の文章が、もしも傷ついた方々の「あかり」となるのであれば
これに勝る喜びはありません。




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2 Comments

足立に所縁の者 says..."石井幹子が善人とは・・"
石井幹子ハライトアップ派です。
我々光害を問題にする足立区民は皆、
運動が「壊滅」するように、ライトアップ派
から、過去さまざまな攻撃・いやがらせ
を受けました。
こんな人間にエネルギーの節約
を語る資格は最初からないと思います。
放射能渦巻くこの御時勢を機に、
こういったヤカラは、とっとと社会的
影響力を消滅させて欲しいと
願っています。
2011.03.30 13:09 | URL | #GMs.CvUw [edit]
スエスエ201 says..."Re: 石井幹子が善人とは・・"
> 足立に所縁の者さま

こんばんわ。
いろいろな考えや意見があるんだなぁと参考になる一方で、
たとえ正論であったとしても伝え方次第で暴論になるのだな、としみじみ感じております。
エネルギーは効率的に使用したいものですね^^
2011.03.30 23:28 | URL | #- [edit]

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