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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

フェルメールの38番目の真作発見!

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フェルメールの、38番目の真作が見つかったそうです。
ロッテルダムのボイマンス美術館が買い上げたのだとか。
タイトルは「エマオのキリスト」。
「マリアとマルタの家のキリスト」のような、
最初期の宗教画と思われます。
まだ画風を確立する前の、初々しさを感じるのは僕だけでしょうか。


エマオのキリスト_メーヘレン
 The Disciples at Emmaus
 Han van Meegeren






はい、嘘です( ´ー`)




4月1日なので……。
エイプリルフールなので……。
ごめんなさい。。。


さて、フェルメール・嘘・「エマオのキリスト」といえば。
すでにピーンと来てるかたもいるんじゃないでしょうか。
そう、稀代の贋作者、ハン・ファン・メーヘレンです。
フェルメールの贋作を多く制作した画家で、
この作品もホントにフェルメール作品として
ボイマンス美術館に購入された経緯があるそうです。
ボイマンス美術館ではこのときの過ちを繰り返さないよう、
入ってすぐの場所に「エマオのキリスト」を展示しているのだとか。


メーヘレンが贋作に手を染めるようになったのは、
自身の作品がオランダ美術界に認められなかったことに対する
復讐の色が濃かったようです。
ちょうどこの頃、一度は忘れ去られた
フェルメールの作品が再び脚光を浴びるようになり、
まだ研究が始まったばかりということもあって
ほかの画家の作品にくらべて、比較的贋作を作りやすかったのだとか。


贋作者としてのメーヘレンの名前が世間に知れ渡ったのは、
ドイツが降伏した1945年5月。
フェルメールの作品をナチス・ドイツに売った罪で逮捕されたものの、
ここでメーヘレンは、それらの作品が贋作であることを明かします。
法廷で実際にフェルメールの贋作を描いてみせた結果、
彼はナチスを騙した英雄として一躍時の人となるわけです。


とはいえ……
この「エマオのキリスト」、全然フェルメールっぽくないですね。
なんだか気持ち悪い。
光の当たり方がどうこうとか、細部がどうこうじゃなくて
えらく作り物めいた印象を受けるんです。
贋作だからこそなのか、
芸術への愛ではなく、怒りによって描かれた作品だからなのか。
ボイマンス美術館が深く反省したのも、うなずける気が。。


ちなみにフェルメールの生家が営んでいた宿屋も、
「メーヘレン」という名前だったそうです。
といっても綴りが違うし、発音も微妙に違うそうですが。




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1 Comments

みや says...""
この作品は自分にとって美術に対する価値観を考えさせられた作品です。僕としてはお気に入りの作品のひとつですね。
2011.11.14 00:13 | URL | #- [edit]

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