クリムト「帽子を被りボアを着けた婦人」
前回ご紹介したルノワールの微笑みにくらべたら、
まぁなんとも冷たい表情。
「ジャンヌ・サマリーの肖像」が婉然なら
こちらは圧倒的に傲然、でも美しい。
Lady with Hat and Feather Boa(1909)
Gustav Klimt
グスタフ・クリムト「帽子を被りボアを着けた婦人」。
代表作「接吻(恋人たち)」で黄金時代の頂点に至ったクリムトは
以後、黄金を離れて鮮やかな色彩が主体の作風に転じます。
この作品は黒が多くを占めていますが、
目に飛び込んでくるのは燃えさかるような帽子の青と
頬の朱が際立つ白い肌、
そして爆ぜるように広がる金色の髪の毛。
女性の両側に広がっていく黄や赤の置物は、あたかも燎原の炎。
闇を統べる炎群のようでありながら、
凛とした冷たさを感じさせるのは
そらした瞳のすげなさ故でしょうか。
右:ルノワール「ジャンヌ・サマリーの肖像」
並べてみるとおもしろい。
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