小林古径「極楽井」
霊泉として知られる井戸を囲む、少女たち。
香り立つのは背景に咲く、白木蓮の花?
それとも……。
Elysian Well(1912)
Kobayashi Kokei
小林古径「極楽井」。
東京藝術大学大学美術館の「香り かぐわしき名宝展」より。
どうにもこの絵の前からは立ち去りがたく、
香気にからめとられた獲物のように
ただただジイッと見つめるしかないのでした。
視線の先には、赤い着物の少女。
彼女だけが顔をこちらに傾けており、
切れ長の目と口元の朱が、いやはやなんとも。
かぐわしいのは白木蓮の香りではなく、
花開くその時を待ち続けるつぼみのような、
少女たちの醸し出す美しさなのかもしれません。
ちなみに同じシチュエーションをギリシア神話に、
西洋絵画に置き換えてみると……
なんとなくこの作品が思い浮かびました。
ウォーターハウス「ヒュラスとニンフたち」。
こちらは白睡蓮、お色気ムンムン(笑)
記事はこちらをご覧あれ。
Hylas and the Nymphs
J.W.Waterhouse
ぽちっとお願いします♪
- 関連記事