フラゴナール「盗まれた接吻」
男は女の手をつかみ、
強引に引き寄せて……ほっぺにチュウ。
女の視線は開きかけた扉のほうを向いており、
意に添わぬ展開だったのか、それとも隣の部屋の人々を気にしてるのか。
ジャン=オノレ・フラゴナール「盗まれた接吻」。
「盗まれた」という表現がぴったりの、臨場感あふれる一枚です。
Le Baiser à la dérobée
Jean-Honoré Fragonard, Marguerite Gérard
女性画家の作品だけを集めたはずの
三菱一号館美術館「マリー=アントワネットの画家 ヴィジェ・ルブラン」で
ひときわ異彩を放っていたのが、この「盗まれた接吻」。
そもそもフラゴナールは男性なんですが、
本作は義妹マルグリット・ジェラールとの共作と位置づけられています。
ただ、こういうシチュエーションはやはり男性ならではというか
ちょっとスケベなシチュエーションが……ねぇ。
本展で並ぶ作品は肖像画中心であるのに対し、
「盗まれた接吻」は明らかにストーリー性があり、官能的であり、
いろんな想像が膨らんでいくんですね。
男(フラゴナール)の妄想爆発!みたいな。
それを考えると、確かに素晴らしい作品なんだけど
本展においてはちょっと異質だったかなぁと。
女性が描く美しい女性より、
男性が描く官能的な女性に気を取られてしまうのは
これまた男性ならではの感性なんでしょうか。
ぽちっとお願いします♪
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