シーレ「左膝を折って座る女性」
100年近く前の作品なのに、
やけに現代的。
いや、現代的なんて言ったら……
シーレが怒り出すかも。
Seated Woman with Bent Knee(1917)
Egon Shiele
エゴン・シーレ「左膝を折って座る女性」。
世紀末象徴主義ならではの赤い髪の毛、
強い意志を秘めた目元。
シーレいわく、
「現代的な芸術など存在しない。
あるのはただ一つ、永遠に続く芸術のみである」とのこと。
なるほど確かに、シーレの芸術は100年後も輝きを失わず
それこそ永遠に、見る者を魅了し続けるのでしょう。
ところでこのポーズ、どこかで見たような。
燃えるような赤毛の女性で、
背中を丸めて顔に触れるくらいまで膝を折り畳んで、
首を傾げるポーズといえば……
これですね。グスタフ・クリムト「ダナエ」。
Danae(1907-08)
Gustav Klimt
同時代にウィーンで活躍したシーレとクリムトですが、
作品を並べてみると実に対照的。
シーレの「左膝を折って座る女性」は、かっと目を見開き唇を強く結んでおり、
力強さのなかに、どこか悲壮感や心細さが漂います。
一方クリムトの「ダナエ」は目を閉じて唇を半開きにしており、
絢爛で豊満で、幸福そのもの。
2人の画家の違いがよくあらわれた、興味深い2枚ですね。
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