喜多川歌麿「歌撰恋之部 物思恋」
東京国立博物館の「写楽展」、
何気に歌麿の作品も結構出てました。
特に雲母(きら)摺りの美人絵は、
思わず足を止めてうっとり。
実物だからこその艶やかな輝きでした。
Reflective Love(1794)
Kitagawa Utamaro
こちらは喜多川歌麿「歌撰恋之部 物思恋(ものおもうこい)」。
頬杖をついて物思いにふける、
西洋絵画でいうところのメランコリーのポーズ。
どこかうつろな表情に、想像をかきたてられます。
グイグイこちらに押し込んでくるような写楽の大首絵とは対照的に、
こちらは女性の感情を描き分けただけあって、画中に引き込む力があります。
「歌撰恋之部」は女性の内面、恋心を描いたシリーズのひとつで、
恋のシチュエーションとしぐさ、年齢をわけて描かれているそうな。
「写楽展」ではほかに「深く忍恋」「夜毎に逢恋」が展示されていました。
これらに「あらはるる恋」「稀に逢恋」を加えた5点セットの作品のようです。
「物思恋」は5点のなかでも最も年長の女性だそうで、
眉をそり落としているところからすると既婚女性なのでしょうか。
だとすると、彼女が思う恋とは……?
過去のものか、それとも現在のものなのか。
この作品、背景は薄紅の紅雲母(べにきら)摺り。
雲母は高価な材料だったようで、そのぶん作品も貴重だったんでしょうか。
そういえば昔はやった「ビックリマンシール」、
ヘッドというレアなシールのことを仲間内で「キラ」と呼んでました。
あれもキラキラ輝く特殊加工が施されていたっけなぁ。
確かピンクのキラもあったはず。懐かしい。
ビックリマンのヘッドについてはこちらをご覧あれ~♪
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