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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ルドゥーテ「美花選」

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「花のラファエロ」「バラの画家」と呼ばれ、
ナポレオン一世の皇妃ジョゼフィーヌらの庇護のもと
宮廷付きの植物画家として名をはせた、
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ
彼の集大成ともいえる版画集「美花選」を中心とした、
Bunkamuraの「ルドゥーテ『美花選』展」に行ってきました。


ルドゥーテ「美花選」バラ
Fairest Flowers ~Roses~
Pierre-Joseph Redoute




こちらは「美花選」より、ルドゥーテが得意とした「バラ」。
みずから「バラ図譜」という作品を出版したこともあるそうで、
このふっくらとした造型美といったら!
絹のような滑らかな花弁、ふわりと舞う蝶、
葉の上のしずくもみずみずしく、
今しも高貴な香りがあふれてきそう。


というか、会場内とてもいい香りです。
「ティー」と「ダマスク・モダン」という
2種類のバラの香りが、会場を包み込んでいて
見るだけでなく、匂いでも楽しめる素敵な展示でした。


これから見に行く人は、単眼鏡を持って行くことをオススメします。
ルドゥーテは版画において輪郭線を彫らず、
針で点を刻むことで濃淡と立体感を表現する
「スティップル法(点刻彫版法)」という技法を駆使しており、
これがまぁ細かくて細かくて、目の悪い人は肉眼では無理です。
印刷物でいうなら網点を一つひとつ手作りするような超絶技法。
点描とか、そういうレベルじゃないんですよ。
震災の影響で水彩中心の予定が版画中心に移行したそうですが、
むしろ版画でよかったんじゃないかと思えるくらい。
関係者の皆さんの苦労があってこそだと思います。感謝感謝。


ルドゥーテ「美花選」バラ、アネモネ、テッセン



ルドゥーテの作品はどちらかというと博物画的な側面が強いので、
全体を通してみるとやや単調な感も否めません。
とはいえそこはBunkamura、香りの演出をはじめ、
ビーズ刺繍デザイナー田川啓二さんのドレス3点や、
休憩用のスツールもルドゥーテの描く花びらを思わせる質感と色。
あちらこちらに創意工夫が見られます。
紫陽花や椿など、日本人におなじみの花から
ぷりっとはじけそうな果物など見所たっぷり。
ベラム(動物の皮)に描かれた水彩画も必見です。
ただ、デザイナーによる空間演出は個人的にきつかったかな。
細かい作品を見続けて疲れ目な状態で、
白黒の床の幾何学模様は……。
きれいはきれいなんだけど、目が痛かったです(笑)


それにしても、会場は淡いピンクを中心としたパステルカラー。
グッズ売り場も非常に華やかというか乙女チックというか。
女性の皆さん、女子力アップはルドゥーテ「美花選」展で♪


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美花選美花選
(2010/07/08)
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ

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