足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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ウォーターハウス「魔法円」

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ウォーターハウスの画集を買ってしまいました。
給料日前なのに我慢できず・・・。
でも大満足。めくるめく官能美。
これぞ芸術といわんばかりの、匂い立つような美しさ。
ということで、しばらくウォーターハウスおよび
ラファエル前派の作品を紹介していきたいと思います。


魔法円
Magic Circle(1886)
John William Waterhouse



1886年発表の「魔法円」。
オカルト趣味の萌芽という意味でも重要な作品で、
国に買い上げられ、批評家の注目を集めた
ウォーターハウスの出世作といえます。


暗い空、切り立った崖、そして冷たい荒野。
そこに裸足で立ち、煮えたぎる釜を前にした黒髪の魔女の姿。
肩からまっすぐに伸びた腕と杖の先に、
炎によって魔法円が描かれていきます。
魔法円の中心で、魔女が左手に持つのはボーラインと呼ばれる鎌。
薬草を刈る際に用いられたもので、魔女を示唆するアイテムのひとつ。
そして同じく中央に位置する釜からは、
真っ白な煙(光?)が天に伸びていきます。


魔女の首もとに注目してみましょう。
首輪?
いや、首に巻き付いているのは、鎌首をもたげた蛇。
魔法と古代のシンボルにして、
生死のサイクル、輪廻を象徴するウロボロスです。
さらに画面右下に見えるのは、蛙の姿。
蛙は西洋絵画において世俗的な欲望の象徴といわれています。
絵画の左上から右下に引いた対角線上に
魔女の頭部と蛙が位置することから、
この蛙もまた、重要な意味を持つことが考えられます。
魔女はみずからの欲望のために魔法円を描いたのでしょうか。
その目的はウロボロスが示す転生なのか・・・?


遠景、崖の真下(右側)にはよく見ると人の姿が見えます。
彼らは粗末な小屋を離れることなく、魔女の儀式を見つめています。
儀式が日常茶飯事だから距離を置いているのか、
それとも彼らにとって近寄りがたいものなのか。
さまざまな謎が、見る者を惹き付けます。


と、いろいろなことを無分別に語ってみましたが、
何といってもこの絵の魅力は魔女の存在感に尽きるでしょう。
ウォーターハウスの描く女性は、どれも虚ろで寂しさをたたえています。
世間からつまはじきにされた魔女の悲哀が、
構成と造形の巧みさもあいまってひしひしと伝わってくるようです。
ちなみに、魔女といえば思い浮かぶのは、16~17世紀の魔女狩り。
遠い歴史の出来事のようにも感じられますが、
ウォーターハウスが生まれたイギリスでは、
1950年まで魔術を禁止する法律が存在したとか。
ウォーターハウスも、魔術を信奉するような作品を発表したことで
問題視されてしまったという説もあるくらいです。



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J.W.ウォーターハウスJ.W.ウォーターハウス
(2006/11)
ピーター・トリッピ

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