セガンティーニ「湖を渡るアヴェ・マリア」
羊が一匹、羊が二匹……
いくら何でも乗せすぎでしょ、これ(笑)
今回はセガンティーニ「湖を渡るアヴェ・マリア」です。
Ave Maria on the Lake(1886)
Giovanni Segantini
アルプスの画家・セガンティーニの出世作となったのが、
1883年発表の「湖を渡るアヴェ・マリア」。
アムステルダムの万国博覧会で金賞に輝き、
彼は以降、同じタイトルの作品を複数制作しています。
今回ご紹介するのは、1886年発表の第2作。
第1作ではちょうど地平線の向こうの太陽を隠すように、
小舟の上部に日覆いの布を巻き取ったようなものが見てとれます。
一方第2作では、太陽がはっきりと顔を見せており
地平線と小舟の間から光がやさしくきらめいています。
陽光に照らし出された、親子の幸福そうな表情。
水面に顔を近づけて喉を潤そうとする、2頭の羊。
太陽の光と小舟のまわりに生まれる波紋が円形に広がっており
まるでここが世界の中心であるような、
そんな不思議な気持ちにさせられます。
ちなみにこの後、1888年から90年ごろに発表した作品では
小舟は岸辺に近づいており、光よりも波紋が強調される構図になっています。
さて、セガンティーニといえば……
損保ジャパン東郷青児美術館の「セガンティーニ展」、
震災の影響で会期がずれたものの無事開催が決まりましたね。
9月からの「モーリス・ドニ展」と
11月からの「セガンティーニ展」、ヨダレの出そうなラインアップ。
芸術の秋は東郷青児美術館へ!
ぽちっとお願いします♪
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