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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

歌川国芳「かさねのぼうこん」

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昨年(2010年)、80年ぶりに発見された
歌川国芳の真作「かさねのぼうこん」。
遅ればせながら、この浮世絵版画を見に
原宿の太田記念美術館へ行ってまいりました。


歌川国芳「かさねのぼうこん」
Specter of Kasane(c.1847-52)
Utagawa Kuniyoshi




かさねのぼうこん」は「累の忘魂」と書き、
財産に目がくらんで醜女(累)のもとに入り婿した男が
妻の容姿に耐えられず殺害してしまい、
以後、怨霊(忘魂)となった累が新しい妻を次々に殺してしまう、というお話。
右上で異様な表情を見せるのが女性の幽霊・累であり、
彼女の髪はたくさんの幽霊の頭部を集めてつくられ、
歯はふんどしを締めたおしり。
慌てて逃げ惑う人々は、よく見ると頭の数が足りませんね。
5人いるはずなのに、頭は2つだけ。不思議。
作品そのもののインパクトは
「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ(みかけはこわいがとんだいい人だ)」には
比ぶべくもないけれど、
こういう作品がまだまだ眠っているのかと思うと
なんだかドキドキしますね。

歌川国芳「みためはこわいがとんだいい人だ」
Men Join to Form a Man: Looks Fierce But is Really Nice(c.1847)
Utagawa Kuniyoshi




さて、太田記念美術館の「破天荒の浮世絵師 歌川国芳」ですが
後期展示は7月28日(木)まで。
ただし「かさねのぼうこん」は7月18日(月)までなので要注意です!
前回ご紹介した武者絵中心の前期展示とはうって変わって、
後期は狂画・戯画中心のユーモラスな作品がずらり。
アルチンボルドの野菜絵のような感覚で
人間の身体を組み合わせて肖像をつくる寄せ絵や
猫を擬人化した作品などが並んでて、終始ニヤニヤが止まりませんでした。


没後150年を記念した国芳展ですが、
秋以降もいくつかの美術館で異なる企画が予定されてるようです。
ぼくが把握してるところでは取り急ぎ以下の3か所。

■茂木本家美術館「没後150年 奇想天外・歌川国芳」(9月7日~10月23日)
■森アーツセンターギャラリー「没後150年 歌川国芳展」(12月17日~翌2月12日)
■町田市立国際版画美術館「浮世絵-国芳から芳年へ」


しばらく国芳ブームが続きそうですね♪



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