ドラクロワ「墓場の孤児」
墓地を背にして、
戸惑いの表情を浮かべる少女。
ウジェーヌ・ドラクロワ「墓場の孤児」。
彼女は何を見、何を思うのでしょうか。
Jeune orpheline au cimetière(1824)
Eugène Delacroix
「墓場の孤児」は、ドラクロワが25歳のときに描いた作品。
ギリシャ独立戦争における虐殺を描いた「キオス島の虐殺」の
下絵として描かれたという説もあるそうですが、真相はいかに。
当時のフランスは打ち続く戦争や政治的混乱の影響で、
多くの孤児が明日をも知れぬ日々を送っていたのだとか。
ドラクロワも若くして両親を失っており、
墓場で出会った少女に、自身の人生を重ね合わせたのかもしれません。
哀しみを引きずり、墓地に座り込む少女。
けれどその面差しは凛々しくもあり、
不安に立ち向かおうとする意志も感じられます。
Le Massacre de Scio(1824)
Eugène Delacroix
小説家の伊集院静は「美の旅人 フランス編」のなかで、
ドラクロワの作品で最も好きな一枚として「墓場の孤児」を選んでいます。
「美の旅人」はスペインからフランスへ、全6巻にわたる絵画の旅物語。
ちょうど今日、シリーズ全作品を読み終えたんですが
知らなかった作品もたくさんあって、「墓場の孤児」もその1枚でした。
素敵な出会いに感謝感激、いつか本物を見てみたいものです。
ぽちっとお願いします♪
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