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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

フェルメール「手紙を書く女」

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東京への巡回が待ちきれず。
行ってしまいました、フェルメール@京都市美術館。
ということで今回は、フェルメールの「手紙を書く女」です。


フェルメール「手紙を書く女」
A Lady Writing(c.1665)
Johannes Vermeer




現存するフェルメール作品の約5分の1、
計6点が手紙をモチーフとした作品。
手紙を書く女」もそのうちの1点で、
左上からの柔らかな光に照らし出された女性が、
手紙を書いている最中にこちらを振り向く瞬間を描いたものです。
まず目を奪われたのが、コートを縁取る毛皮の質感。
そして黄色いコートの襞や陰影。
光そのものを身にまとっているような、
神々しささえ感じさせます。


ところでこの服装、フェルメール作品ではたびたび描かれてるんですね。
「真珠の首飾りの女」
「女と召使い」
「恋文」
「ギターを弾く女」といったところでしょうか。
フェルメールお気に入りの服装なのか、それとも当時はやってたんでしょうか。

フェルメール「真珠の首飾りの女」フェルメール「女と召使い」
フェルメール「恋文」フェルメール「ギターを弾く女」



さて、「手紙を書く女」。
テーブルクロスの上の真珠のネックレスや箱、
手にした羽根ペンや椅子の装飾まで、
細かく散りばめられた光の粒は横一列に配置され、
女性の存在を引き立たせています。
一方、女性の表情は……他の要素に比べて、
輪郭をぼやかして描かれているんですね。
肌にまといつく光が顔の動きにあわせて揺らめいているような、
静謐のなかの一瞬の変化を思わせます。
鑑賞者の存在に気づいて視線を投げ掛けているようで、
思わずハッとさせられます。


京都市美術館で開催中の「フェルメールからのラブレター展」では、
手紙を書く女」も含めて手紙をモチーフとした
フェルメール作品が計3点も展示されています。
出品点数は43点と少なめなので、
行列に身をまかせてゆっくり見て回るのがいいと思います。
いつもの感覚で見て歩くと、あっというまに終わってしまいますから。
ちなみに僕が行ったのは日曜の午前中だったんですが、
ちょうどその日の日曜美術館がフェルメールだったせいか
思ったより混雑してました。イライラするほどではありませんが。
今冬には東京のBunkamuraへ巡回するわけですが、
ものすごい混雑が予想されますね。
もちろんもう1回行きますが(笑)
それでは次回も、フェルメール作品を紹介したいと思います♪



■『フェルメールとラブレター展』の関連記事
フェルメール「手紙を読む青衣の女」
フェルメール「手紙を書く女と召使い」




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