ブグロー「夜の雰囲気」
空には白い初月がかかり、
夜のとばりが降りてきます。
ウィリアム・アドルフ・ブグロー「夜の雰囲気」。
扇情的なようで、不思議と穏やかな一枚。
Evening Mood(1882)
William Adolphe Bouguereau
女性がまとっている黒いヴェールが、
徐々に深まる夜の闇をあらわしているんでしょうね。
はためくヴェールをつまむ右手も、なんだかなまめかしい。
こんなに波がたっているのに、
海面に映った足がはっきり見えるのもちょっと不思議です。
時間が止まって、波の動きも止まっているようです。
ちなみにブグローの「夜明け」はこんな絵。
基本的には「夜の雰囲気」を左右逆にしたような構図ながら、
左手・左足に動きがあり、
命が目覚める夜明けの雰囲気が表現されています。
目を閉じて花の香りにひたり、
歓喜の舞をおどっているよう。
左手の指先から広がる白いヴェールが、
朝日を受けてふくらんだ花のようです。
さらに「夜」「昼」という作品もあって、
時間の流れに沿って「夜の雰囲気」→「夜」→「夜明け」→「昼」と並べると
こんな感じになります。
「夜の雰囲気」「夜明け」は、
時間帯そのものが変化に富んでいて劇的だから
画家も想像力を刺激されたのでしょうか。
どう見ても、他2作に比べてすぐれて見えます。。。
心よ
起きよ、
目を覚ませ。
(中原中也「童謡」より)
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