モーリス・ドニ「水浴」
そこには不安も憂いもなく、
よせてはかえす波のあわいに
健康的な裸体が躍ります。
モーリス・ドニ「水浴」。
歓喜の一枚。
Bathing(1920)
Maurice Denis
薄紫の雲は、もうじき日が暮れることを意味しているのでしょうか。
天の高みから睥睨するように熱を注ぐ太陽ではなく、
あの岩壁の向こうから、大地を包む優しい日差し。
そしてドニの手にかかれば、
ボートや衣服の白、波の青でさえ、あたたかく見えてきます。
この色彩の巧みさと、丸みを帯びた人物のやわらかい表情に
ぼくはいつも、釘付けになってしまいます。
さて、いよいよ来月から、
損保ジャパン東郷青児美術館で「モーリス・ドニ展」がはじまります。
世界初公開作品を含む、約100点が集まるとのことで、
副題は「いのちの輝き、子どものいる風景」。
家族を愛したドニの、慈愛に満ちた作品に期待ですね。
ちなみに「水浴」にも、ドニの息子や孫が描きこまれています。
国立西洋美術館所蔵のこの作品がドニ展に出品されるかは分かりませんが、
こういった優しい作品に、きっと出会えるはずです♪
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