ベックリン「戯れる人魚たち」
同じ「人魚」でも、ウォーターハウスの作品とは大違い。
こちらは絶対にお近づきになりたくない人魚たちです。
いたずらされてしまいそう・・・。
アルノルト・ベックリンの1886年作、「戯れる人魚たち」です。
逆巻く大波のなか、奇妙な笑顔で戯れる人魚たち。
空は薄暗く、海は荒々しく、ただでさえ普通ではない海景。
左下には赤ん坊の人魚がいたり、
右下の男にいたずらされているのか、
下方中央にはえげつないくらいの笑みを浮かべる人魚がいたり。
下半身のテラテラした感じもなんとも気味が悪いし、
構図は正三角形で安定しているはずなのに
見つめ続けていると不安感が高まるばかり。
こんな作品も。「海辺」。
ベックリンはスイスの象徴主義の画家。
代表作の「死の島」が第一次大戦後のドイツで人気を博し、
かのアドルフ・ヒトラーも熱心な蒐集家だったとか。
そのほか、キリコやカンディンスキーに影響を与えた画家でもあります。
ということで、本日の「人魚」は小手調べ。
明日は本題の「死の島」を紹介しましょう。
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