足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

上村松園「待月」

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うすきぬの
やはらにかかる
いまちつき
そでぬらさじと
つきくさをふみ


上村松園「待月」
Woman Waiting for the Moon to Rise(1944)
Uemura Shoen




上村松園「待月」。
月の出を待つ、女性の美しい後ろ姿です。
今夜は居待月。
満月をさかいに月の出はだんだん遅れていき、
十六夜(出るのをためらう月)
立待月(夕方、立って待っているうちに出る月)
居待月(立って待つには時間がかかるので、座って待つ月)
寝待月(あまりに出が遅いので、寝ながら待つ月)
更待月(夜更けを待って、のぼる月)
といった感じで欠けていきます。


松園の「待月」は、上半身しか描かれていないけど
座っているようにも見えるので「居待月」なのかな?
ちなみに同題の作品で全身の立ち姿が描かれているものもあります。
こちらは「立待月」ということなんでしょうかね。

上村松園「待月」2



夜10時ごろに見上げた月は
薄絹のような雲が柔らかくかかっていて、
かすみにぬれた月光を見ていたら
なんとなくさびしい気持ちになりました。
今日は座って待ち、明日は寝て待ち、明後日は夜更けまで待って。
外では松虫が、月に届けとばかりに鳴いていて。


月草は露草の別名で、
かつては染料として用いられていたものの、
染まった青は色あせやすかったことから
心の移ろいや、はかなさの象徴として和歌に詠まれたそうです。
ちなみに名前に反して、咲くのは朝から昼にかけて。
しぼみやすいことも、はかないイメージに通じるのでしょう。
どうせ心の移ろう花ならば、咲く前に……といった気持ちです。
そうすればずっと、変わらずにいられる。



今日も明日もがんばろう。
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