足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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クールベ「波」

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海というと、この作品を思い浮かべます。
ギュスターヴ・クールベ「波」。
間断なく変化する空と海の表情をとらえた、
緊迫感に満ちた一枚。
崩れ落ちた波頭は岩にぶつかり白い泡となり、
暗雲と呼応するように広がっていきます。


クールベ「波」
Waves(c.1870)
Gustave Courbet




前回もちらっと触れましたが、
新年最初の読書は
宮本輝の「ここに地終わり 海始まる」でした。
18年にもわたる結核の療養生活を経て
ようやく普通の生活を手にした主人公の志穂子が、
物語の最後に訪れた場所が、荒れる越前岬です。
声を張り上げてもかき消されてしまうような
すさまじい風と途方もない海の音を前に、
志穂子はある決意を口にするわけですが……。
きっと彼女が見た海はこんな雰囲気だったんだろうなぁと思いながら、
クールベの「波」を冒頭で紹介した次第です。


この物語は、
「ここに地終わり 海始まる」という一文が記された
一枚の絵はがきから始まります。
ポルトガルのロカ岬という
ヨーロッパ最西端の地に刻まれた一文であり、
この絵はがきが主人公の体に奇跡を起こし、
たくさんの出会いを呼び起こします。
海に始まって海に終わる、宮本輝らしい再生の物語。
いまこの作品を読んでよかったなぁと、しみじみ思いました。


主人公の志穂子は純真で、控えめで、芯が強くて、勘が良くて、
とても素敵な女性なんです。
そして彼女のセリフのひとつが、
大切な人が前に言っていたこととピタッと重なりまして。
その偶然が、なんだかすごく嬉しくて。
う~んバカだなあ、自分。
こういうことはもう書かないようにと思ってたんですが、
今回だけ例外ということで。



今日も明日もがんばろう。
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-2 Comments

nino says...""
宮本輝、懐かしいです。もういまから17年前に
ある人の紹介で彼の作品を読み始めました。
『再生の物語』、彼の作品にはいつもそういう
ものを感じさせられますね。

もうしばらく小説を読むこともなくなったのですが
昨年末に日本に帰国したのでいつかまた彼の
作品にふれてみたいと思いました。
2012.01.06 20:11 | URL | #- [edit]
スエスエ201 says..."Re: タイトルなし"
> ninoさん

コメントありがとうございます。
ぼくも宮本輝作品を読み始めたの、16、17年前くらいです。
以来どっぷり大ファンでして(笑)
読むたびに自分のなかで何かが(小さいけど)変わる気がしていて、
それもひとつの「再生」なんだろうなぁと解釈しております。

最近の作品にも素敵なのがたくさんありますので、
ぜひ読んでみてください♪
2012.01.07 04:10 | URL | #- [edit]

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