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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

いせひでこ「ルリユールおじさん」

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イーモバイルでネットにつなげられることに気づきました。
何のために毎月お金払ってたんだか(笑)
ということで今回は、めずらしく絵本をご紹介。
いせ ひでこ「ルリユールおじさん」です。



ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)
(2011/04/12)
いせ ひでこ

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大切にしていた植物図鑑をこわしてしまった、フランスの女の子。
彼女は新しい図鑑を買うのではなく、
こわしてしまった図鑑を直してもらうために
本造り職人を訪ねます。
この本造り職人のことを、フランス語で
「ルリユール(RELIEUR)」というのだとか。
たった一人、手仕事で製本・装丁を行うヨーロッパ独自の職業で、
日本にもこういう職業の方がいるみたいです。


ぼろぼろになるまで読み込まれた植物図鑑に対して、
ルリユールおじさんは女の子のために、サプライズを用意してくれます。
魔法の手で丹誠込めて、本の修復を行うルリユールおじさんと
図鑑を心から大切にする少女との交流は
本好きの方ならきっと共感できるはず。
ストーリーはもちろん、絵もやさしいタッチで本当に素敵なんですよ。


古本屋で本が格安で手に入るようになって、
最近では電子書籍化のために“自炊”と称して
本をばらばらに壊してしまう人も増えています。
ぼく自身、古本屋にはいつもお世話になってますし
電子書籍を否定するつもりもまったくないのですが、
紙の書籍を大切に思う気持ちは、
この先時代が変わってしまっても、残ってほしいと思います。
人間が生み出した、最高の文化だと思うから。
この絵本は、そんなことに気づかせてくれる
素敵な作品です。


ちなみに本を修復するときには
一度ばらばらにしてから閉じ直すため、
「ルリユール」には
「もう一度つなげる」という意味があるんですって。
なんだかとても、深い言葉ですね。


作者の いせ ひでこ さんは、画家・絵本作家として活動するかたわら、
宮沢賢治とゴッホの研究をライフワークとされているそうです。
「よだかの星」を絵本にしているみたいなんで、
今度探してみようと思います。


それと最後に……。
9月に「my name is I」さんという方から
メールをいただいていたことに、今頃気づきました。
あたたかいお言葉をありがとうございます。
一言お礼を申し上げたかったのですが、
返信が送れなかったので……。
とても失礼なことだとは思いますが、
この場を借りてお詫びとお礼とさせていただきます。



今日も明日もがんばろう。
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追記:
元々「日本にはルリユールという職業はない」と書いてたんですが、
ykomさんからご指摘いただき、こっそり修正させていただきました。
本好きを自称しておきながら、恥ずかしい次第。。。
ご指摘感謝です。

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2 Comments

ykom says..."日本にもあります"
いせひでこさんのこの絵本は、フランスでの確かな取材によりパリの製本職人の姿を、本当に良く伝えています。革の表紙の表紙貼りの手つきなどうっとりします。でも日本にもreliure をする人は大勢います。海外のコンテストで第一位を獲得した人も複数いますよ。
2012.01.12 18:24 | URL | #9fzzMrak [edit]
スエスエ201 says..."Re: 日本にもあります"
>ykomさん

コメントありがとうございます。
ルリユール、日本にもいるんですね!
文章修正しておきますね。ご指摘どーもです。
こういう職業の方々が、もっと認知されるといいのになぁ、と思います。


2012.01.13 01:07 | URL | #- [edit]

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