黒田清輝「智・感・情」
久々に美術館へ行ってきました。
東京国立近代美術館「ぬぐ絵画 | 日本のヌード 1880-1945」。
あっちにもこっちにも美女のヌード。むふふ。
と、冗談はさておいて。
個人的には、黒田清輝の「智・感・情」を見れたのがよかったな。
ずっと見たい見たいと思ってて、ようやく出会えました。
Wisdom, Impression, Sentiment(1889)
Kuroda Seiki
金地を背景に並ぶ、等身大の3人の女性。
実際のモデルの姿をもっと理想化して描いたものだそうですが、
不思議とエロスは感じられず、単に美しいというものでもなく、
そういったものを超越した、犯しがたい威厳のようなものを感じました。
中央の「感」が、あまりに堂々としすぎているからなのかな。
彼女たちは右から「智」「感」「情」をあらわしているんですが、
さてどの辺が「智」なのか、どの辺が「感」「情」なのかというと
ちょっとぼくには分かりませんでした。
「情」は情念のことなのかな? 乱れた髪がそれっぽいなぁ、とか
そんなことを思いながら、鑑賞した次第です。
これらについて画家本人もはっきりした言葉を残していないため、
解釈は見る人に委ねられているってことなのでしょう。
東京国立近代美術館の「ぬぐ絵画」は、
「はだかを作る」「はだかを壊す」「もう一度、はだかを作る」
という3つの章に分けて構成されています。
1つめの「はだかを作る」の見所が黒田清輝の作品群で、
続く「はだかを壊す」では
萬鉄五郎や古賀春江、熊谷守一などの実験的なヌードが、
最後の「もう一度、はだかを作る」では
安井曽太郎、梅原龍三郎、小出楢重らの作品が並んでいました。
特に小出楢重は、マティス作品との比較検証が面白かったな。
熊谷守一は見ていると胸苦しくて不安な気持ちになるんだけど、
目をそらせない磁力のようなものを感じました。
日本では裸婦像がタブーとされていた時期があり、
それに画家たちがどう対抗してきたか、
その歴史を考えながら鑑賞するのもいいかもです。
会期は明日まで。
所蔵作品展でもヌードにちなんだ展示があるので、
ぜひお見逃しないように~♪
今日も明日もがんばろう。
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