ルドン「薔薇色の岩」
オディロン・ルドン「薔薇色の岩」。
これもまた、ルドン展で知った意外な一面でした。
Le Rocher Rose(1880)
Odilon Redon
グロテスクな版画作品を手掛けた黒の時代に、
ルドンはこういった小さな風景画を油彩で制作しており、
「作者のためのエチュード」と呼んで大切に手元に置いていたそうです。
海辺に放り出されたような薔薇色の岩。
孤独な背中を見ているようで、なんだか切ない気持ちになります。
こういう風景を描くことで、何かのバランスをとっていたのかな。
叙情ただよう、静かな小品だと思います。
私の源泉が何であったか、私はいうことができない。
私は自然をその形のままに愛した。
もっとも小さな草一本、慎ましい花、樹、
土地と岩から山々の頂の偉容に至るまで。
全部をまとめてというよりは、
すべてのものをそれ自体の性格のままに、私は愛した。
私は孤独から引き出される神秘にも深く戦慄する。
(ルドン「私自身に」より)
今日も明日もがんばろう。
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