ゴヤ「無原罪のお宿り」
グロテスクで思わず目を背けたくなるような作品が並ぶゴヤ展で、
この作品は一際異彩を放っていました。
張りつめていた気持ちがゆるゆるほどけていくような。
ゴヤ「無原罪のお宿り」。
信仰心のない自分でも、こうべを垂れる気持ちになる一枚でした。
Immaculate Conception(1783-84)
Francisco de Goya
左側の天使が手にしているのは、純潔をあらわす白百合。
そのすぐ近くには、原罪を意味する林檎をくわえた蛇の姿も。
天上では大いなる神が両腕を広げて、
聖母の祈りを受け止めようとしているかのようです。
あらゆる惨状を目にして描き続けたゴヤが
この絵を描いたというところに、
救いがあるような気がしてなりませんでした。
見ているこっちも救われたもの。
本作はムリーリョの作品に……なんて解説はやめときましょう。
なんだかそれは、無粋な気がするので。
今日も明日もがんばろう。
![]() | 西洋絵画の巨匠 ゴヤ (2006/10) 大高 保二郎 商品詳細を見る |
- 関連記事