カイユボット「屋根の眺め(雪の効果)」
雪が降りましたね。
いくつになっても、
白い雪がちらちら舞っているのを見ると
わけもなくうれしくなってしまいます。
やっぱり前世は犬だったんじゃなかろうか。
View of Roofs(Snow Effect)(1878)
Gustave Caillebotte
こちらはギュスターヴ・カイユボットの「屋根の眺め(雪の効果)」。
白銀におおわれたフランスの町を、
カイユボットは高い位置から見下ろして描いています。
屋根の上の雪、煙突からたちのぼる煙、とけていく空。
誰もいない町は、しんしんと沈んでいきます。
東京に住んでるとわからないけど、
雪深い土地の人にとっては
はじまりの白ではなくて、侵食する白なんだろうなぁ。
ところで雪にはいろんな異称があるんですが
そのうちのひとつに「不香の花(ふきょうのはな)」というものがあります。
雪を花にたとえて、香りがないと表現しているんですね。
個人的には雪に香りがないんじゃなくて、
雪が降り積もった世界に香りがないのだと思います。
凍てついた空気は視覚と触覚に強く訴えかけるかわりに、
聴覚と嗅覚をマヒさせてしまう気がする。
だから白銀の世界は美しく、そして厳しいんじゃないかなぁ、と。
今日も明日もがんばろう。
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