足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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清宮質文「深夜の蝋燭」と中原中也「冷たい夜」

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ポロック展を見たあと、
東京国立近代美術館の所蔵品展へ。
相変わらずの豪華な作品群のなかで、
ひときわ心を奪われたのが清宮質文の版画作品でした。
深い青と、哀しげな蝶の姿が
なんともいえず叙情的で。
小さな版画が8点、しょんぼりと居心地悪そうに並んでいて
ぼくにはそれが、とてもやさしくうつりました。


清宮質文「深夜の蝋燭」
Candle at Midnight(1974)
Seimiya Naobumi




いま、ぼくの手元には「また来ん春…」という本があります。
見開きごとに中原中也の詩と清宮質文の絵が並んでいて、
それぞれの世界観がとても心地よく調和しているんです。
どちらも言いようのない寂しさを背負っているのに、
決して近づいてこようとはしない。
小さな世界を形作って、
そのなかで背中を向けて遊んでいる。
呼ばれるのをじっと待っている。
幾分すねて、世をはかなんで、
ときどきいたずらな目をして、
と思ったら沈黙にひたっている。
そこになぜだか共感を覚えてしまうのです。


冬の夜に
私の心が悲しんでゐる
悲しんでゐる、わけもなく……
心は錆びて、紫色をしてゐる。

丈夫な扉の向ふに、
古い日は放心してゐる。
丘の上では
棉の実が罅裂(はじ)ける。

此処では薪が燻つてゐる
その煙は、自分自らを
知つてでもゐるやうにのぼる。

誘はれるでもなく
覓(もと)めるでもなく、
私の心が燻る……
      (中原中也「冷たい夜」)




今夜はまた、こんな気分です。






今日も明日もがんばろう。
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