足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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マネ「バルコニー」

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前々回の記事で引き合いに出した
エドゥアール・マネの「バルコニー」。
印象派の女性画家、ベルト・モリゾが初めてモデルとして
マネの作品に登場した記念すべき一枚です。


バルコニー
Le Balcon(1868-1869)
Edouard Manet




中央よりやや左、一番手前で
手すりにひじをかけているのがモリゾです。
で、彼女が完成した作品をサロンで見たときの印象がこちら。

 マネの作品は、いつものことですが、
 熟していない硬い果実のような印象を醸し出しています・・・
 「バルコニー」に描かれた私は
 醜いというよりも奇妙です。


自身が印象派の画家として活躍し、
マネの作品では数多くモデルを務めた彼女に、
奇妙といわしめた「バルコニー」。
画面前景の3人は思い思いの方向を向いており、
そこには親しげな雰囲気も、人間同士の交流も感じ取られません。
こういった特徴から、マネの作品は
「静物画」と評されたりもしています。
「対象に無関心な画家」とも。


当時のフランスでは産業革命によって近代化が急速に進み、
人々の関係性も希薄になりつつありました。
マネはその変化を敏感に感じ取り、
みずからの作品で表現していたわけです。
「対象に無関心」だったのではなく、
「対象の無関心」こそ、マネが描きたかった真実だったのでしょう。


マネと同様にこうしたある種冷徹な視点を持っていたのが、
同じく印象派を代表する画家、エドガー・ドガ。
彼の「アプサントを飲む人(カフェにて)」は、
現代に生きる僕たちも思わずはっとさせられる1枚です。
こちらも発表当時は思いっきり酷評されたとか。
彼らが暴き出したパリの憂鬱を、
そこに生きる人たちは本能的に拒否しようとしたのかもしれません。

アプサントを飲む人



もう一度マネの「バルコニー」に戻りましょう。
精神的交流を感じさせない3人の登場人物。
そこに生命の躍動は一切存在せず、
空気は澱み、沈黙が周囲を支配しています。
シュールレアリスムの画家、ルネ・マグリットは
「バルコニー」からおよそ80年後の1950年、
この世界観をさらに強調した作品を発表します。
タイトルは「マネのバルコニー」。
そこに描かれるのは人間ではなく、無機質な棺桶でした。
精神の交流がなければ、生きている意味などない。
そんな叫びが聞こえてきそうな、すさまじい作品です。

バルコニー



さて、マネの「バルコニー」ですが、
スペインを代表するある画家の作品に
強く影響を受けて制作されたといわれています。
その画家とは?
その作品とは?
答えは次回をお楽しみに。



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