難波田史男「終着駅は宇宙ステーション」
不条理だ
だがぼくらはこの世界にしか生きられないのだ
ぼくはもはや孤独とかさびしいとか言はない
ぼくはこの世界を賛美して死にたい。
それは色彩による、ただ色彩のみが美しい。
(難波田史男)
Terminus, Space Station(1963)
Nambata Fumio
こちらは難波田史男「終着駅は宇宙ステーション」。
どことなく、パウル・クレーを思わせる世界観で
いたるところに五線譜やピアノの鍵盤、音符のようなものが見てとれます。
こうした音楽的な要素はほかの作品にもあらわれていて、
そもそも難波田史男は既存の美術教育になじむことができず、
音楽や文学を拠り所に画業を続けたのだとか。
よく見ると、イヴ・タンギーの版画にも近しいものを感じるなぁ。
不可思議な形状の生き物(?)が縦横に躍り、
奇妙な世界をかたちづくっています。
現実の世界は画家にとってあまりに不条理で、
それで宇宙に思いを馳せたのかな。。。
今日は東京オペラシティまでオーケストラを聞きに行ってきたんですが、
せっかくなのでその前に、アートギャラリーの方に立ち寄ってみました。
そこでやっていたのが「難波田史男の15年」という企画展示でして。
まったく知らない画家さんだったのですが……行って大正解でした♪
展覧会では250点近くもの作品が展示されていて、
そのなかでも「終着駅は宇宙ステーション」は
比較的親しみやすい作品のように思えました。
初期の作品はもっとグロテスクで、
あどけない狂気を感じさせるものが多く……
でも目をそらせない、不思議な磁力があるんですよね。
こんな作品(不詳)も。陰惨で、不安定で、無邪気な怖さ。
初期の線描も、太陽をモチーフにした作品群も、
孤独や苦悩をときに激しく、ときに繊細に投影していて
見れば見るほど、心を揺り動かされるのです。
時間があまりなくてじっくり見られなかったので、
週末にもう一回行ってこようかと思っております(会期は3月25日まで)。
美術鑑賞のあとは、
会社の人々とオーケストラを聞きに。
こちらも思う存分楽しませていただきました。
充実した休日だったなー。
これで明日も休みだったらいいのに(笑)
最後に蛇足になりますが、会社のこと。
昨日は朝まで飲んで(ぼく出張帰りだったのに)、
今日も休日なのに一緒にオーケストラ行ったりで
ほんとに社員同士は仲のいい会社なんですが……。
みんな、会社を離れることを考えています。
すでに転職先を見つけた人もいるし、
フリーになるべく行動している人もいるし。
飲みの席でも、もうそういう話しかしなくなっている。
こうなってくると寂しくもあるけど、
もうどうにもならないのだと思う。
早く終わりにしなくちゃいけない。
今日も明日もがんばろう。
![]() | 終着駅は宇宙ステーション (2008/04) 難波田 史男 商品詳細を見る |
- 関連記事
-
- 草間彌生「チューリップに愛をこめて、祈る」
- 山下清「かたつむり」
- 難波田史男「一人」
- 難波田史男「終着駅は宇宙ステーション」
- 和田三造「壁画画稿」
- 小磯良平「斉唱」
- ルドルフ・シュリヒター「盲目の力」