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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

東山魁夷「山霊」

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滝ってすごいなぁと、今日はそんなお話です。
まずはこちら、東山魁夷「山霊」。
霧深い深山幽谷、山肌は緑に覆われ、
そのすきまを貫くように、力強く落下する水の塊。
耳を澄ませば遠く轟音が聞こえてきそうな、
そんな一枚です。


東山魁夷「山霊」
 Mountain Spirit(1987)
 Higashiyama Kaii




この作品を見たのは、4年前の今頃でした。
ちょうど桜の咲くころに、東京国立近代美術館で
東山魁夷展をやっておりまして。
あんまり素敵だったので2回見に行ったんだけど……
図録を見ると、この作品ってモノクロに近い色合いなんですよね。
実際はどうだったかな……。


さて、話をもとに戻して、滝のお話。
今日、北中康文の「滝王国ニッポン」という
フォトエッセイ集を読みました。
滝を専門に撮り続けているカメラマンだそうで、
全国1600カ所以上の滝を巡っているのだとか。
本書ではその中から厳選した、50の名瀑・秘瀑に関する
いろんなエピソードが描かれています。


ヒグマと遭遇したりヤマビルに襲われたり、滝壺に落っこちたりと
山深くの滝をシャッターにおさめるのは困難を伴うわけですが、
そこで撮影された写真はどれも神々しくて、
思わずため息が出てしまいます。
日本にはまだまだ、こんな美しい自然があるのだなぁ……
というより、もうページを繰るたびに「すっげーすっげー」と。
少年心や冒険心をくすぐられっぱなしでした。

華厳滝
 滝といえば、華厳滝。悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今……



たとえば、10m前後の鉄ハシゴを30本以上越えていかなければ
見ることのできない、奈良県「双門の滝」。
日本一の水流を誇る名瀑、福島県「三条の滝」。
花崗岩の白い岩肌を3段に分かれて落ちて行く、山梨県「神蛇滝」。
巨大なホースの放水のような神秘の跳ね滝、岩手県「七折りの滝」などなど。
数え上げればきりがないけど、
もう夢中で読み進めてしまいました。
これを読んで興奮しない人はいないんじゃないかなぁ。
そう思える一冊です。




今日も明日もがんばろう。
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滝王国ニッポン (エイ文庫)滝王国ニッポン (エイ文庫)
(2007/05)
北中 康文

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