ロバート・ハインデル「Dance of Passion」
昨日は郷さくら美術館 東京のあと、
渋谷に移動してBunkamuraへ。
「ロバート・ハインデル展」と「ダ・ヴィンチ展」を見てきました。
まずは、ロバート・ハインデルから。
Dance of Passion(1982)
Robert Heindel
こちらは「Dance of Passion」。
今回の展覧会は画集「人間賛歌 A Celebration of Humanity」
の出版を記念してのもので、
その表紙にこの作品が使われています。
灰色の空間で踊る男女、
男の上半身は背景に溶け込み、
その背に体を預けた女は、恍惚ともとれる表情です。
舞台の華やかさではなく、もっと踊り手の内面に踏み込んだような、
緊迫感あふれる一枚です。
前にも紹介しましたが、
ロバート・ハインデルはダンサーを主に描いたことから
現代のドガとも称される、アメリカの画家です。
もともとはデザイン会社でイラストレーターとして働いていたそうですが、
あるとき見に行った英国ロイヤル・バレエのステージに心奪われ、
以来世界各国のバレエ団のダンサーを描くようになります。
ステージ上のダンサーよりも、
舞台裏で地道な努力を続けるダンサーを好んで描き、
彼女たちの精神性に迫った作品を多く残しました。
展覧会ではこうした作品が多数展示されていて、
ダンサーたちのストイックで情熱的な世界に触れることができます。
「The Thread」。休息のひととき。
一通り作品を堪能したあと、迷わず画集も購入しました。
画集の帯には村上龍がコメントを寄せていて、
「黒と白と灰色の中の、微かだが強い色彩。
フェルメールが現代によみがえったようだ」と評しています。
それではここで、画家自身の言葉を。
ダンスの底流には、「人はなぜ踊るのか?」「どうして人を愛するのか?」
というような、愛・憎しみ・恐怖・死といった
人間が人生の中で体験する心の動きが潜んでいて、
私の興味はそこにあるのです。
「Rehearsal Studio」。ただ一人、黙々と。
Bunkamura Galleryの「ロバート・ハインデル展」は、
4月11日(水)まで。
そのあと17日から22日まで、
代官山ヒルサイドフォーラムに巡回します(展示内容が違うのかな?)。
Bunkamuraのほうは入場料が無料なので、
ダ・ヴィンチ展とセットで見に行くといいですよ♪
今日も明日もがんばろう。
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