レオナルド・ダ・ヴィンチ「ほつれ髪の女」
伏し目がちに、うつむきがちに、
彼女は何を思っているんだろう。
Head of a woman with tousled hair(1506-08)
Leonardo da Vinci
レオナルド・ダ・ヴィンチ「ほつれ髪の女」。
先日、Bunkamura ザ・ミュージアムの
「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」で見てきました。
代表作「モナ・リザ」と同時期に制作されたという小品で、
写実的に描かれた優しげな表情に対し、
髪の毛は驚くほど無造作に、簡略化されています。
それがかえって……
絵に魂が宿った瞬間のような、
今にも生身の女性が浮かび上がってきそうな、
そんな錯覚にとらわれます。
それにしてもこの表情、ぼくは「岩窟の聖母」に似てるなぁと思いました。
ルーブル美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の作品が有名ですが
もうひとつの、個人蔵の「岩窟の聖母」が同じ会場内に展示されていまして。
「ほつれ髪の女」と見比べてみましたが、
どちらも慈愛に満ちた表情で、安らぎに満ちていて。
「ほつれ髪の女」も、やっぱり愛する我が子を見つめているんでしょうか。
それとも、思いを寄せる人のことを思っているんでしょうか。
なんだか、胸が苦しくなりました。
「岩窟の聖母」。幼子イエスを見つめる、優しい表情。
といっても、左側の幼子はヨハネという説もあるけど……。
今日も明日もがんばろう。
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