ルオー「ブルターニュの風景」
先日、シダネル展のあとに向かったのが
パナソニック汐留ミュージアム。
この美術館はなんとジョルジュ・ルオーの作品を230点も所蔵しており、
世界で唯一のルオー美術館なのだそうです。
Paysage de Bretagne(1915)
Georges Rouault
こちらは「ブルターニュの風景」。
1915年、40代のときの作品です。
灰色の空のしたに広がる海は、深い青。
赤褐色の大地、緑色の丘、立ち並ぶ家々。
画面全体に靄がかかったような、
どことなくノスタルジックな一枚です。
パナソニック汐留ミュージアムの
「ジョルジュ・ルオー 名画の謎」という企画展では、
ルオーの作品をずらっと並べるだけではなくて、
随所にユニークでためになる仕掛けがなされています。
たとえば件の「ブルターニュの風景」と「人物のいる風景」では、
一般的な美術館の照明と最新のLED照明を、
鑑賞者が自由に切り替えられるんです。
光の種類が変わるだけで、絵というものは劇的に変化するんですね。
特に「ブルターニュの風景」の場合、海の色が圧倒的に違う。
LED照明が引き立たせる青の魅力は、
ぜひ美術館で体感してほしいと思います。
このほか、展覧会では4つの版からなる版画「秋」を
それぞれ透明フィルムで再現して、
ライトテーブルのうえで重ねることで
色が組み合わさって作品に近づいて行く様を体験できます。
さらに、ルオーの作品に隠された
5つの謎をたどっていくという演出も。
毎度のことながら館内のスタッフさんも
とても親切でホスピタリティにあふれてますし、
親子で行ってもきっと楽しめると思います。
ところで、ルオーの奥さんってシダネルの妹さんだったんですね。
画家同士の交流はあまりなかったみたいですけど、
それぞれの画風の違いを思うとなんだか不思議。
シダネル展を開催している損保ジャパン東郷青児美術館(新宿)から
ルオー展のパナソニック汐留ミュージアムまでは大江戸線で一本なので、
2つセットで鑑賞するのもよいかと思います。
今日も明日もがんばろう。
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