マティス「赤い部屋(赤のハーモニー)」
あざやかな原色の部屋。
大エルミタージュ美術館展の一番の目玉、
アンリ・マティス「赤い部屋(赤のハーモニー)」です。
Red Room(Harmony in Red) (1908)
Henri Matisse
もともとこの絵は「青のハーモニー」というタイトルで制作されたそうで、
赤い部分も青(緑?)で塗られていたようです。
画面の一番下を見ると、わずかにその名残りが見て取れますね。
いったん青で展覧会に出品したものの、
「装飾性が不十分に思えて、どうしても作品を
やり直さざるをえなくなったのです」とのことで、
突如、全面的に修正を加えてしまうわけです。
部屋を赤くすることで、黄色の果物や椅子は
存在感を増して手前に浮かび上がり、リズムが生まれます。
窓の向こうの緑は遠ざかっていき、平面に奥行きが生まれます。
180×220cmと大きめの作品なので、インパクトも抜群。
いかにもフォーヴィズム、いかにもマティスな一枚。
といっても、個人的には隣に飾られてた
「少女とチューリップ」のほうが好みだったりするわけですが(笑)
こっちのほうが落ち着いて見ていられるし。
強く印象に残るのは「赤い部屋」なんでしょうけどね。
「少女とチューリップ」。この色彩の組み合わせが好き。
さて、話はかわって。
今日はちょっと遠出して、ホキ美術館まで行ってきました。
日本の写実絵画の数々、すばらしかったです。
個人的にいろいろ思うところがあって、
行ってよかったなっていう気持ちもありつつ、
やっぱり寂しくなっちゃいました。
いまだに足跡を追いかけて、さまよっている自分がいます。
今日も明日もがんばろう。
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