フェルメール「真珠の首飾りの少女」
今年はフェルメールの“真珠”が立て続けに来日します。
まずはこちら、「真珠の首飾りの少女」。
国立西洋美術館で13日から始まった「ベルリン国立美術館展」で、
さっそく見てまいりました♪
Young Lady with a pearl necklace(1662-65)
Johannes Vermeer
左側の窓から光が差し込み、右側には女性の姿。
おなじみの黄色い上着を着て、
真珠の首飾りについたリボンをつまんでいます。
鏡にうつった自分の姿に、
あるいは真珠の輝きに見とれているのでしょう。
室内の何気ない1コマを光とともに描いた、
実にフェルメールらしい作品です。
静謐なのにドラマチック。
心を奪われて、立ち尽くすことしかできない…。
よく見ると、一見影のように見える箇所にも
効果的に光がちりばめられています。
鏡の下の中国磁器、椅子の鋲。
テーブルの上にも下にも、いろんな光がさりげなく。
そうして気がつけば、止まった時間のなかを旅している。
画家の思いを、筆の動きを、描かれた女性の物語を追いかけるように。
鏡はどうしてこんなに小さいんでしょう。
当時はこれが普通のサイズだったのかな?
この距離感で、この鏡のサイズ。
鏡は、彼女の後ろにあるものまで
枠のなかにおさめているのかもしれません。
そこには何がうつっていただろう。
真珠の首飾りを身につけた女性は、リボンを手にして……
鏡を使って、後ろの誰かにその姿を見せているのかも。
なーんていろいろ妄想が膨らむわけですね。
さて、個人的にあとひとつ。
女性の表情が、あまり美しいとは言いがたくて。
眉も目尻も下がった、どっちかというと愛嬌のある顔なんです。
いや、人は案外、何かに心奪われているときにこんな表情をするのかも。
このへんの心の機微は、男性よりも女性の方が感じるものがあるかもです。
男性はあんまり宝石に興味ないですからね(笑)
ベルリン国立美術館展は、国立西洋美術館で9月17日まで開催。
その後、九州国立博物館に巡回します。
展示内容は、彫刻・素描も比較的多め。
レンブラントやデューラー、クラナッハ、
リッピ、ベラスケスなどの絵画の他、
素描ではボッティチェリやミケランジェロも!
ちなみにラファエロの素描も作品リストに載ってたんですが、
いくら探しても見当たらなくて、聞いてみたら九州のみの展示とのこと。
ぐう、残念無念!
来年国立西洋美術館でラファエロ展があるんで、
それもあって気になっていたのにな~。
ところでフェルメール作品ですが、
現在確認されているのは37点(怪しいものも含む)。
ぼくはそのうち、計13点を見たことになります。
今月末からはじまるマウリッツハイス展で新たに2点追加になりますが、
完全制覇はまだまだまだまだ先ですね。
いつかは現地の美術館でも見てみたいものだけど。
今日も明日もがんばろう。
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