フェルメール「真珠の耳飾りの少女」(マウリッツハイス美術館展より)
ようやく愛しのあの子に会えました。
前回の来日は2000年、大阪。
それから12年を経て、ようやく東京にもやってきてくれました。
ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」。
西洋絵画に興味を抱くようになってから、
ずっと焦がれていた作品です。
The Girl with a Pearl Earring(c.1665)
Johannes Vermeer
会場はリニューアル直後の東京都美術館。
待ちに待った「マウリッツハイス美術館展」。
ここを訪れるのは、実は4年前のフェルメール展以来です。
本当は有給をとって平日にのんびり見ようと思ったんですが、
我慢できず初日に行ってしまいました。
約20分待ちと、思ったより待ち時間は少なめ。
会場に入ると、混んでいるとはいえ鑑賞の妨げになるほどではありません。
むしろ総点数が約50点と少なめなので、
かえってゆっくり見れていいくらいの気持ちです。
フェルメール作品には思い入れというか思い出というかが色々あって、
入場待ちの行列に並んでるときから
妙に感傷的になってしまって半分涙目で
作品見たらやばそうだなぁと思ってました。
でも。
いざ絵の前に立ってみたら、いろんな感情がさーっと消えていって、
頭の中がさーっと白くなってしまって。
心を奪われるっていうのは、こういうことなんでしょうか。
残念ながら絵の前で立ち止まることはできず、
細部まで見ることはできなかったんですが
とても澄んだ心で鑑賞できました。
今回は、作品について細かいことは書きません。
そんなものはきっと、必要ないでしょうから。
たとえ何時間もこの絵の前に立ち続けることを許されたとしても、
やっぱりぼくは何も言えず、何も考えられず、
ただ静かな気持ちで立ち尽くすと思います。
ぼくのなかのいろんな思いを
この絵はだまって受け止めて
だめな自分をゆるしてくれているような気がして。
暗闇に立っているのは自分自身の投影なんだろうか。
それとも大切な人の幻影なんだろうか。
6月の終わりに、1年のちょうど半分にあたるこの日に、
「真珠の耳飾りの少女」を見ることができて
ほんとうによかったと思っています。
これからの季節をどう過ごしたらいいか分からないけど、
すこし勇気をもらえた気がするので。
東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」は9月17日まで。
そのあと9月29日から翌年1月6日まで、神戸市立博物館に巡回します。
7月2日(月)が臨時開館日ですから、
混雑を避けるならそこが一番のチャンスだと思います。
ぼくもできれば、あと何回か見に行きたいと思っています。
今日も明日もがんばろう。
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